新緑の季節から初夏へと移り変わるこの時期、さわやかな風が心地よく感じられるようになりました。前回のコラムでは「婚活に最適な生活習慣:健康と外見の整え方」についてお伝えしましたが、今回は「長期婚活を支えるメンタルケア」に焦点を当てます。
先日開催された「東京メンタルウェルネスフェア2025」では、AIを活用したストレス管理アプリや最新のリラクゼーション技術など、現代人のメンタルヘルスをサポートする様々な取り組みが紹介されました。
「ウェルビーイング」という言葉が一般的になり、心の健康への関心が高まる昨今、婚活においても「メンタルケア」は成功の大きな鍵となります。
「最初は希望に満ちていたのに、だんだん疲れてきた」「お見合いを重ねるうちに、笑顔が作り笑いになってきた」
このような声は、当相談所でもよく耳にします。
特に30代後半から40代の方々からは、「時間的プレッシャー」と「婚活の長期化」によるストレスについての相談が増えています。
心理学者ロバート・サポルスキーの研究によれば、慢性的なストレスは認知機能や判断力にも影響を与え、本来なら良い出会いと判断できるチャンスも見逃してしまう可能性があるのです。
当相談所の調査では、婚活1年以上の会員さんの約6割が「婚活疲れ」を経験していることがわかりました。しかし、適切なメンタルケアを実践している会員さんは、長期婚活でも高いモチベーションを維持し、最終的に良いパートナーとの出会いに恵まれる傾向にあります。
では、具体的にどのような「メンタル疲労」が婚活中に起こりやすいのでしょうか。
- 期待と現実のギャップ
理想の相手像と実際に出会う方とのギャップに戸惑い、自分の希望を見直すべきか悩む心理的プレッシャー - 連続する不成立の経験
お見合い後に交際に進まない経験が続くことによる自己肯定感の低下 - 選ばれる側のプレッシャー
常に「評価される側」としての緊張感や不安 - 周囲からの期待と焦り
家族や友人からの「まだ結婚しないの?」という何気ない一言によるプレッシャー - 時間的制約の不安
特に女性の場合、年齢を重ねることへの焦りや不安
このようなストレスは、放置すると「婚活うつ」とも言える状態を引き起こし、本来の魅力を発揮できなくなってしまいます。
45歳のK男さんの例を見てみましょう。
大手企業で管理職を務めるK男さんは、仕事では自信を持って部下を指導できるのに、お見合いの場では過度な緊張から本来の魅力を発揮できずにいました。「お見合いの前日から眠れなくなる」「会話の途中で頭が真っ白になる」という症状に悩んでいたのです。
これは「社交不安」の一種であり、単なる性格の問題ではなく、適切なメンタルケア技術で改善できることが多いです。そもそもの前提として、お見合いは誰しもが緊張するものであるということを理解してください。真剣度が高ければ高いほど、新たな出会いの機会に緊張するものです。これは男女問わず共通です。一見すると、お見合い相手は緊張していないように見えるかもしれませんが、それはあなたが思っているだけで、実際にはお相手も緊張していることがほとんどです。
K男さんは後述する「マインドフルネス呼吸法」を実践し、3ヶ月後には「お見合いが楽しめるようになった」と報告してくれました。
婚活ストレスの対処法を考える前に、脳科学の視点から「ストレスと出会い」の関係を理解しておきましょう。
ストレス状態が続くと、脳内では「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌され、前頭前皮質(判断や意思決定を担当する脳の部位)の機能が低下します。これにより、本来なら「良い相性かも」と感じられる相手に対しても、ネガティブな判断をしやすくなるのです。
適度なリラックス状態の方が「相手の良い面に気づく能力」が高まると言われてす。つまり、メンタルケアは単なる「気分転換」ではなく、良い出会いを見極める「判断力」を高めるために不可欠なのです。
当相談所でお伝えしている「メンタルケア」の中から、特に評判の良い方法をご紹介するのでぜひ活用ください。
- 「自分軸」を取り戻す振り返りノート法
婚活が長期化すると、「選ばれるための自分」を演じてしまい、本来の自分を見失いがちです。この「自分軸」の喪失が、疲労感や虚無感の原因となります。
【実践方法】
A5サイズのノートを用意し、毎週日曜日の夜に10分間だけ記入
「今週、心から楽しいと感じた瞬間は?」「自分らしいと感じられた瞬間は?」と問いかける
婚活とは関係ない日常の小さな喜びも書き出す
月に一度、これまでの記録を読み返し、自分の価値観パターンを見つける
38歳の女性会員Yさんは、「婚活を始めてから、『相手に気に入られるか』ばかり考えるようになった」と悩んでいましたが、この方法を実践したところ、「自分が本当に大切にしているのは『自然との触れ合い』だと再認識できた」と言います。その後のお見合いでは、趣味のハイキングについて生き生きと話せるようになり、同じく自然が好きな男性との交際に発展しました。
「相手に選ばれる自分」より「本当の自分」を大切にすることで、自然と魅力が引き出されるのです。
- 「マインドフルネス呼吸法」でお見合い前の緊張を和らげる
お見合い直前の緊張は、会話の質にも大きな影響を与えます。しかし、「リラックスして」と言われても難しいもの。そこで効果的なのが、科学的に効果が実証されている「マインドフルネス呼吸法」です。
【実践方法】(お見合い10分前に実践)
静かな場所(カフェの個室やレストランのトイレなど)で座る
目を閉じるか、視線を落とす
4秒かけて鼻から息を吸い、2秒止め、6秒かけて口から息を吐く
この「4-2-6呼吸」を5回繰り返す
呼吸に集中し、余計な考えが浮かんでも判断せず、再び呼吸に意識を戻す
この方法は、交感神経(緊張状態)から副交感神経(リラックス状態)への切り替えを促し、脳の前頭前皮質の機能を回復させます。実際、当相談所の会員さんからは「会話がスムーズになった」「相手の話に集中できるようになった」という報告が寄せられています。
- 「認知の歪み修正法」で婚活の挫折を客観視する
婚活が長期化すると、「もう良い人と出会えない」「自分には魅力がないのかも」といったネガティブな思考パターンに陥りがちです。認知行動療法の手法を応用した「認知の歪み修正法」は、このような思考の罠から抜け出す効果的な方法です。
【実践方法】
お見合い不成立などの挫折を感じた時、まず紙に自動的に浮かぶ考えを書き出す
例:「また断られた。自分には何か大きな欠点があるのかも」
その考えが以下の「認知の歪み」のどれに当てはまるか確認する
・白黒思考(全か無かで考える)
・過度の一般化(一つの出来事から全てを判断する)
・心の読みすぎ(相手の考えを根拠なく推測する)
・感情的理由付け(感情を事実と混同する)
では、今日から実践できる具体的なアクションポイントをご紹介します。
- 「婚活休息日」を設定する
婚活に全力投球するあまり、プライベートの時間が婚活一色になってしまうと、心の疲労が蓄積します。月に2日は「婚活休息日」を設け、婚活関連の活動(アプリのチェック、お見合い準備など)を一切行わない日を作りましょう。
【実践方法】
カレンダーに「婚活休息日」と明記する
その日は婚活サイトやアプリを開かない
好きな趣味や友人との時間を優先する
休息日の翌日は、新鮮な気持ちで婚活に臨める
ある会員さんは、「休息日を設けたことで、婚活へのモチベーションが復活した。以前は義務感でアプリを開いていたが、今は前向きな気持ちで活動できている」と言います。
一見、婚活の量を減らすことは遠回りに思えるかもしれませんが、長期的には「質の高い婚活」につながる大切な習慣です。休む勇気を持つことも必要です。
- 「感謝リスト」で毎日のポジティブ体験を記録する
婚活の過程では、「まだ理想の相手と出会えていない」という「欠乏感」に囚われがちです。しかし、脳科学研究によれば、「感謝」の感情を意識的に育むことで、セロトニン(幸福ホルモン)の分泌が促され、ストレス耐性が高まることがわかっています。
【実践方法】
スマートフォンのメモアプリに「感謝リスト」を作る
毎晩就寝前に、その日あった「ありがたい出来事」を3つ書き出す
婚活に関することでなくても良い(美味しい食事、天気が良かった、など)
特に「人との良い交流」を意識して記録する
この「感謝リスト」習慣を2週間続けた男性会員さんは、「以前は婚活での不成立ばかりが頭に残っていたが、日常の小さな幸せに気づけるようになった。その結果、お見合いでも余裕を持って会話できるようになった」と報告しています。
- 「成功基準の再定義」で婚活の成果を可視化する
婚活では、ついつい「結婚」だけを成功と捉えがちです。しかし、それでは日々の小さな成長や進歩を見落としてしまいます。「成功基準の再定義」で、婚活のモチベーションを維持しましょう。
【実践方法】
「婚活ジャーナル」(ノートやデジタルメモ)を用意する
以下のような「小さな成功」を記録する
・初対面の方と30分以上会話を続けられた
・以前より自己紹介がスムーズになった
・緊張せずにお見合いに臨めた
・新しい趣味や話題を見つけられた
月に一度、これらの「小さな成功」を振り返る
この方法で「婚活の成果」を可視化することで、「まだ結婚できていない」というプレッシャーから解放されます。
川崎市在住、44歳のTさん(男性)は、システムエンジニアとして活躍する傍ら、3年間婚活を続けていました。20回以上のお見合いを経験し、交際に発展したケースもありましたが、いずれも長続きせず、「もう自分に合う人はいないのではないか」と諦めかけていました。
特にTさんを苦しめていたのは、お見合い後に「なぜダメだったのか」を過剰に分析する習慣でした。「もっとこう話せばよかった」「あの話題を出さなければ」と自分を責め、次第にお見合い自体が大きなストレスになっていたのです。
当相談所のアドバイスに従い、Tさんが取り組んだのは次の3点です。
- 「認知の歪み修正法」でネガティブ思考を客観視する訓練
- お見合い前の「マインドフルネス呼吸法」の実践
- 月2回の「婚活休息日」の設定
特に効果があったのは「婚活休息日」だったとTさんは言います。
「休息日には、学生時代から好きだった天体観測を再開しました。星空を見上げていると、婚活のプレッシャーから解放され、心が落ち着くのを感じました」
新しいお見合い相手は、趣味に天体観測を挙げていた39歳の女性でした。以前なら緊張して臨んでいたお見合いですが、今回はリラックスした状態で臨むことができ、共通の趣味をきっかけに自然な会話が生まれました。
「以前の自分なら緊張して本領を発揮できなかっただろうが、『マインドフルネス呼吸法』のおかげで落ち着いて会話を楽しめた」とTさんは振り返ります。お互いの趣味や価値観が合い、交際を経て1年後に婚約に至りました。
Tさんのケースは、「婚活疲れ」の状態から適切なメンタルケアによって回復し、結果的に良いパートナーとの出会いに恵まれた好例です。
「婚活を一度リセットする勇気が、新たな出会いをもたらした」というTさんの言葉は、長期婚活中の方々に希望を与えてくれます。
初夏の爽やかな風が吹くこの季節は、婚活におけるメンタル面の「リフレッシュ」にも最適な時期です。長期婚活では、出会いの「量」だけでなく「質」を高めるためのメンタルケアが欠かせません。
- 「自分軸」を取り戻す振り返りノート法で本来の自分を大切に
- マインドフルネス呼吸法でお見合い前の緊張を和らげる
- 認知の歪み修正法で挫折を客観視する
- 「婚活休息日」の設定で心の余裕を作る
- 「感謝リスト」で日常の幸せに気づく習慣を
当相談所では、会員様一人ひとりの性格や状況に合わせたメンタルケアのアドバイスも行っています。特に婚活が長期化している方々には、プロフィールや写真の見直しだけでなく、「心の持ち方」についてのカウンセリングも提供しています。
リーズナブルな料金体系で本格的な婚活をサポートするのが当相談所の特徴です。月額6,380円からスタートでき、いつでも解約も可能。オンライン入会なら全国対応も可能ですので、どうぞお気軽にご相談ください。
40代・50代の男性の皆様には、国際結婚という選択肢も含めた幅広いサポートを提供しています。結婚への強い意志をお持ちの方には、様々な出会いの可能性をご提案いたします。
次回は「身だしなみ特集:TPOに合わせたファッション選び」についてお届けします。どうぞお楽しみに。
※このコラムは、川崎の結婚相談所「Q.E.D.partners」が提供する会員向け情報です。具体的なご質問やご相談は、お気軽にカウンセラーまでお問い合わせください。