【働く女性152人へ調査】今の給与に満足してる=23%だけ、副業しているは=27%も

今や女性が働きやすい環境・社会を目指すことが、現代社会において共通認識になっています。
それは、日本の労働人口が減っていることもそうですが、女性がもっと社会進出して働きやすい環境を整備して、日本の未来を良くするためには絶対に欠かせないことだからです。

そこで、会社員として働く女性152人へ「今の給与」「転職」など、働く女性の本音を調査したので紹介します。

日本における女性の働き方の進化と社会的支援の拡大

日本では、女性の働き方が大きく変化しており、企業や社会がその多様性を支援する動きが加速しています。令和4年の女性の労働力人口は3,096万人と前年に比べ16万人増加し、労働力人口総数に占める女性の割合は44.9%まで上昇しました。また、女性の労働力率は54.2%に達し、前年比で0.7ポイント上昇しています。キャリアアップの機会拡大や育児休暇、時短勤務などの柔軟な働き方をサポートする取り組みが進み、職場でのジェンダー平等が推進されています。これらの施策は、女性が結婚や出産後もキャリアを継続しやすくすると同時に、日本の労働力活性化と経済成長にも貢献しています。
かつては結婚を機に専業主婦になる女性が多かった昭和時代と異なり、今の令和時代では、女性が結婚後も正社員として働くことが一般的になっています。令和4年の女性雇用者数は2,765万人となり、前年に比べ26万人増加しました。この結果、雇用者総数に占める女性の割合は45.8%まで上昇し、前年から0.3ポイントの増加を記録しました。女性のライフスタイルも多様化しており、定年まで働くことを選ぶ人が増えている一方で、結婚せずに独身でキャリアを築く女性も増えています。この変化は、女性が自身の人生においてより多くの選択肢を持つようになったことを示しており、これは日本社会にとって前向きな進化です。

参考)厚生労働省働く女性の状況より

平成以降(30年前)と比べた転職へのハードルについて

30年で激変した就活事情と成功への鍵

現代の転職のハードルは30年前と大きく異なります。インターネットの普及で求人情報へのアクセスが簡単になり、特定の地域やニッチな分野の情報を見つけるのが容易になりました。これは、30年前には新聞、雑誌、求人広告から限られた情報を選ぶしかなかったこととは対照的です。

また、社会的な認識も変化し、「終身雇用」からキャリアアップや自己実現のための転職へと視点が移ってきました。労働法の面でも、過去30年間に制定された多くの法律により、労働者の権利保護や不当な解雇の防止につながる等、転職を容易にする支援が増えています。しかし、新たな職場で成功するには適応力、スキルセット、人間関係など多くの要素が影響し、また年齢や経歴が転職の選択肢を制限することもあるため、転職を検討する際には自身のスキルや経験、そして目指すキャリアパスについて深く考え、準備することが重要となります。

終身型とジョブ型雇用これからの日本

女性も定年退職を迎えるまで働く意識のある人が増えているということです。

アンケート内容
  • 今の給与に満足していますか?
  • 本格的に「副業」を考えることありますか?(月に3万円以上〜の副業)
  • 今の会社は副業OKですか?
  • 今の会社で定年まで働く予定ですか?
  • 転職を考えることありますか?

■調査方法:インターネットのクラウドサービスによる選択式および記述式
■対象者:152人
■調査時期:2022年12月18日~20日
■有効回答数:152
■調査期間:自社調査

アンケート回答者の年代

20代〜60代以上の女性152人にご協力いただきました。

アンケート回答者の婚姻状況について

今の給与に満足していますか?

  • とても満足
  • 満足
  • どちらでもない
  • 不満
  • とても不満
  • とても満足・・・2.0%
  • 満足・・・21.1%
  • どちらでもない・・・19.7%
  • 不満・・・48.7%
  • とても不満・・・8.6%

今の給与に「満足・とても満足=23%」でした。

今回のアンケートによると、女性152人のうち23%が現在の給与に「満足」または「とても満足」と答えました。一方で、57%の人が「不満」または「とても不満」と感じているようです。つまり、半数以上の女性が現在の給与に満足していないというのが実情です。

わずか23%の女性だけが自分の給与に「満足」しており、一方で半数以上の女性が「不満」を抱えているという事実は、女性が直面する労働市場における給与格差と待遇の問題を表しています。これらの数字から浮かび上がるのは、女性の給与に関する現状の厳しさと、根本的な改善が切実に求められている現実です。

給与に対する「満足」や「不満」の背後には、それぞれの女性の意見があります。そこで、自由記述方式での回答を求めました。女性たちがどのような理由で自分の給与に満足、または不満を感じているのか、聞いてみました。

給与に「とても満足」と回答した方の意見

安定した金額だから
満足な理由は嘱託職員として行政サービスの仕事をしていますが、6.5時間の勤務で日額13000円程頂いているからです。難しい仕事内容もありますが、達成感もあるためとても満足な賃金を頂いていると思います。
ボーナスも多く、残業代もしっかりいただいているので

給与に「満足」と回答した方の意見

就業時間に対して最低限の生活と貯金ができるお給料をいただいているため
比較的休みに融通も効きますし、仕事も極端に大変でない為、満足しています。
仕事内容に対して、給料が見合っていると思うので。
“転職を繰り返しているが今の職場が残業時間も短く、給料が高いから。
事務職として安定した給与をいただけているので、満足しています。
生活に必要な費用に加えて日頃リフレッシュできるお小遣い、貯金も捻出できているからです。
子育て中のため時短勤務中ですが、給与について不満と思う所は今の所ないと思っています。
コロナ禍で業績が悪化した時も、減給は一切なかった。
時短勤務をしていますが、それでも満足いく給与をいただけております。
年収500万円の収入を得るための会社や職業で働くことがそんなに簡単ではないことを知っているからです。
低くも高くもないが割に合っている。
十分生活できる程度に頂けているので満足です。とっても満足ではないのは、貯金に回せる額がもう少しあればな、と思う気持ちがあるためです。
自分の頑張り次第でお給料が決まる
業務に対して適切だと感じるから
ボーナスをしっかりもらえるので満足しています。
ルーティンワークで、勤務時間中は時間に余裕がありながら、事務職としては給与が良いため
金額は少ないが残業がなく定時で帰ることができるので。
残業すればするだけもらえるから。
時短勤務なのでフルタイムと比べると給与が低いのは当たり前なのかと思うので
子育てをしていて、残業なく働いて土日も休みだがちゃんと給料をもらえている
他人から見たら贅沢な生活ではないかもしれませんが、事足りることなく充実した生活を送れているため。
ほぼ毎日在宅で楽しているのに、結構な金額をもらっているから。
長い間務めてきたのでそれなりのお給料をいただいているから
仕事内容に見合った給与だと思う
責任度が低く、業務内容と自分の控えめな性格が合っているから。
以前の給料と比べると増加しているから
自分の経験が生かせるから
業界の平均を上回っているから
大体の相場と同じだと思うから。
家庭でのやりくりを十分に可能し、自分の趣味にもある程度回せるだけの金額がもらえているから
他のみんなより時給が高いから
金額自体は平均より少ないが仕事にやりがいを感じているため

一部の人は、給料が生活費と貯蓄に十分対応しているため、または比較的融通がきく仕事であるため満足しています。また、自分の経験を生かせる職場であるため、自分の能力やスキルを評価されていると感じている人もいます。

また、転職を繰り返していた中で、残業時間が短く、給料が高い職場に就いた人もいます。一方、子育て中で時短勤務をしている人は、現在の給与に不満はなく、コロナ禍でも減給されなかったことが安心材料となっているようです。

さらに、ルーティンワークであるため、勤務時間中は余裕があり、金額は少ないが残業がなく定時で帰れるため、満足している人もいます。他の人は、自分の性格や責任度に合った仕事であるため、やりがいを感じているようです。

最後に、家庭でのやりくりを十分に可能にし、自分の趣味にもある程度回せるだけの金額をもらえているため、また、時給が他の人より高いため、金額自体は平均よりも少ないが、仕事にやりがいを感じているため、満足している人もいます。


総じて、これらの意見から、給与が一番の満足要因ではないことがわかります。それぞれの状況や経験に応じて、仕事内容や柔軟性、やりがいなど、様々な要因があることが分かります。

給与に「不満」と回答した方の意見

作業量に見合っていないから
女性の正規雇用の中央値に届いていないから。
現在の労働内容に見合ってない
交通費の計算で、ガソリン単価が安い。
地方事務職なので、周りと比べるととても低いからです。
栄養士なので資格手当てをいただいているが、資格手当があるぶんなのか、基本給が低い。有資格者なのだから、もう少しもらっても良いと思う。
自分が担当する業務量が段々増えているのに、給与は変わらず、大変になっている。
残業代でどうにか稼いでいるといった感じで、基本給だけだとかなり低い。
仕事内容の割には低収入であると感じるため
大学卒業時から働いているので少しずつ基本給は上がってはいるけれどもやはり介護職は給与が低い
労働に見合っていない
“毎月の生活がギリギリなので、貯金に回すお金がほとんどありません。
1つの会社に勤めてもうすぐ10年を超えるため、もう少しゆとりを持った生活ができるように給料が増えてほしいと思っています。”
“パートの給料は少ない
でも小さな子供が3人いて長い時間働く事は難しい”
対価としてのお給料が見合っていない
以前より仕事時間も時間帯の手当てが少なくなったため
時間換算するとかなり給与が低くなってしまうので不満です。
“みなし残業手当があるが、
実際の業務では、とてもその金額では合わない残業となる。”
仕事量に対して給与が低い。
仕事の責任に対して、給与が少なく感じるから。昇給もあまりないから。
不況なので仕方ないと月給に納得はしているものの、ニュース等で公務員の方などのボーナス平均額を聞いていると羨ましいと思ってしまうからです。激務なのでもっとボーナスはあってもいいのかなと思います。
若手を重視する傾向にあり、また人数を多く採用していっているので分配が少なくなってしまっているから
今の給与では生活費だけで消えてしまう。このままでは定年後の生活に不安が残るので、貯蓄等に充てるためにはもっと給与が高い方が良いと感じるためです。
業種上仕方の無いことですが、基本給が低く、インセンティブで支給額の幅がかなり広くなります。
勤続5年で、仕事の責任も仕事量も増えているのに全く上がらない。同じ仕事をしている男性の方が高い給与なのは納得できない。
転職前と比較して勤務時間が伸びたが給与が変わらないため
仕事の内容と量が給与に見合っていないと感じるからです。
ボーナスなしで、歩合もないから。
一日の拘束時間が長いので。
仕事内容に比べて安い金額だと思うから
基本給が1年で1000〜2000円程度しか上がらず、給与がこの先も上がることが見込めない。
月給が低いから
しんどさと給料が見合っていないから。
給与が少なすぎるため。
仕事の責任に対して給料が低すぎる
業績次第で賞与が出るのですが、業績が芳しくなく、賞与が0.3か月分しか出ないため。
仕事量に見合っていないと思う。他の会社で同じ仕事をしたらもっと給料がいいから。
労働の負担に見合っていない
残業が多い割には給与が安いから。
物価や税金が上がる中で給料は全く上がらないため、生活に余裕がなくなってきているため不満に感じている。
“持ち帰り仕事としてサービス残業があるから
時給が低い ボーナスがないから
元々基本給が低かったが残業代がそこそこ貰えていたので良かったが、ここ最近はノー残業デーを設けられ入社当初より手取りが低くなっている。
仕事の難易度と給与のバランスが取れていないため。
自由にできるお金が少ないから
昇給やボーナスがないから。
仕事の量が多い割には給料が安い
昇給がなく、給料も安いため。
生活費がギリギリで貯蓄も難しい。
通勤時間が長いので割に合わない
一人暮らしをしているが、現在の給与だと生活でいっぱいで、+アルファの事がしにくい為。
10年前から昇給なし
派遣なのに正社員という訳の分からない待遇で、ボーナスはあるが、昇進がないため
労働量に比べて賃金が安い
難しい作業をしているのに、評価がかなり低い
最終学歴によって給与に差があるので、同期でも金額に差があるのが少し不満に思えます。
全部丸投げしてくる上司の半分くらいの給料だから
手取りが少なくてつらいです
現場での軽作業から事務職へ異動したが、当初部署異動の際に伝えられていたExcelでのデータ処理等の事務作業以外に、話には出ていなかった英文の翻訳作業も任されるようになったものの給与が上がらず自身のスキルに見合っていないため。
現在の仕事量に対して、時給が見合っていないと思えるため
とにかく基本給が安い。ボーナスも寸志くらいしかない。病院勤務だが、市民病院のため、正規雇用と1年雇用との差が激しい。
20年以上働いていてもほとんど変わらないから
残業しているが残業代の明確な規定がないため、時給換算するとかなり低い。
1人で生活していくには十分だが、世間の平均よりは低いから。
業界自体もあまり給与が良い方ではないのですが、コロナの影響が大きくここ数年の賞与も下がり続けで、この年代の平均給与と比べても100万ほど低い状態のため。
現在の給与では、老後に備えての十分な貯蓄ができないから。特に私は未婚で、配偶者からの経済的な援助が得られないし、子供もいないので万が一の時にお世話や介護をしてくれる人もいないが、施設に入るだけの経済的な余裕もまだないので。
生活や子供の教育費などにお金がかかり、自分のために使えるお金が少ないことに不満があります。もう少しお給料がもらえたら自分のしたいことができるのになぁと思ってしまいます。
仕事内容と給料が合っていないと感じるから。
いろいろなものが値上げラッシュであまり給料が上がらないことで困っている。また、仕事量に比例した給料を換算するなどして欲しい。
不満に思うのは、上司がボーナスを上げると言いながら下げる嘘をつくからです。
少ないから貯金ができない。
生活が苦しいから
あまり昇給しないので
今日本が諸外国よりも収入が低いと言われていて、カツかつであること。
3年時給が上がってないから

給与と仕事の責任やスキルが見合っていない
例:「資格手当てをいただいているが、基本給が低い」「仕事の責任に対して、給与が少なく感じるから」「仕事の難易度と給与のバランスが取れていないため」
件数: 9件
割合: 9 / 92 = 約9.78%

残業に対する不満
例:「残業が多い割には給与が安い」「持ち帰り仕事としてサービス残業があるから」「残業しているが残業代の明確な規定がないため」
件数: 7件
割合: 7 / 92 = 約7.61%

物価や税金の増加に対する給与の不満
例:「物価や税金が上がる中で給料は全く上がらないため」「いろいろなものが値上げラッシュであまり給料が上がらないことで困っている」
件数: 2件
割合: 2 / 92 = 約2.17%

通勤に関する不満
例:「通勤時間が長いので割に合わない」
件数: 1件
割合: 1 / 92 = 約1.08%

上司や会社の方針に対する不満
例:「上司がボーナスを上げると言いながら下げる嘘をつくからです」「全部丸投げしてくる上司の半分くらいの給料だから」
件数: 2件
割合: 2 / 92 = 約2.17%

雇用形態に関する不満
例:「パートの給料は少ない」「派遣なのに正社員という訳の分からない待遇で」
件数: 2件
割合: 2 / 92 = 約2.17%

以上の7つのカテゴリーで、合計して53件の回答があり、全体の約57.61%を占めています。

給与に「とても不満」と回答した方の意見

大学6年通った割には平均年収を超えず、休みも少ないため時給換算でも満足できない。
契約職員で、「同一労働同一賃金」という考え方が普及していないので、正職員と同じような仕事や、場合によっては正職員でもできない内容の仕事をしているのに賃金が安い。語学手当が廃止される以前であれば外国語1か国語あたり20,000円の手当支給があったと聞いているが、採用の年度で廃止になった(私は3か国語対応可能なので、語学手当が廃止されていなければ60,000円支給されるはずだった)
“勤続年数は長く残業も仕事量も多いのですが、なかなかお給料が上がらないです。
仕事量と年齢に見合ったお給料はいただけていないのかなと感じます。”
拘束時間に割には時給換算すると少ない
会社の経営状態によっては給料日に支払ってもらえないことがあるから。
生活するのにギリギリ
基本給が低く、残業をしないと稼げないから。
一人暮らしを行っており値上げラッシュで贅沢ができない
あまりにも少ないから。
コロナ禍による業績悪化で給与は上がるどころかむしろ減ってしまい、物価高ですがインフレ手当のようなものありません。
能力にも勤務時間にも見合わない給料だから。
職場で重要な仕事をしているのに、再任用と言うだけで、大変な割に他の人よりも給料が安いです。
同業他社の水準と比較して低いと思う

給与は「どちらでもない」と回答した方の意見

現在の業務内容の責任=給与という考えなら不満という答えなのかもしれませんが、給与も評価も後で付いてくるものなので現在の給与がその程度なら私の会社から見た評価(実績)もその程度という事で納得しているので満足でも不満でもなく、どちらでもないという回答にしました。
最低賃金は守られているが、業務に対して安いのではないかと思っています。
“日勤のみとして考えると、手取りは多い方だと思いますが
個人的にはもっと欲しいなと思う次第です。”
多額ではないが行っている仕事が専門的でも高度でもないため、妥当な金額かと思う
自分の勤める会社規模や仕事面、社歴で考えると妥当なのかなと思うからです。
多くも少なくもなく普通に生活する上で困らないから
お給料が上がりにくいため。
もっと稼ぎたいとは思うが、今のゆとりある環境と天秤にかけると、給与の事だけを考えて行動するのが難しい。
不満がある気もするけど、ないやうな気もする
人間相手の仕事で神経を使う、退社後も24時間、急な連絡に対応しなければならない。その割にお給料が安い。
もっと稼ぎたいが子供がいて働く時間が限られてるので仕方ないから
困難なく生活することはできているから
もらえるならもっと欲しい
1日にすべき仕事と与えられる業務は、正味1時間で完了する。それ以外の時間は、単に席に座っているだけ(本業とは別の勉強や副業をしている)だが、それでも給与が発生しているという点でいえば満足。ただ昇給がない点は不満。
業界自体が不振なので仕方ない
金額は良いが残業が多く、稼いだお金の使いどころが今のところあまりない。
時給はMAX評価の金額だが、もともとの上限の金額がさほど高くないので
物価高騰の為不満です。
金額は少ないが定時にしっかりあがれることを考えると妥当
勤務の割に合わない
仕事に対する時給が見合ってないと感じる
給与は多くはないが、仕事内容も大したことじゃないので仕方ないと感じる。
残業ありきで働いている賃金。
昔は不満だったけど、現在の仕事量を考えると満足もしないし、不満でもない
他の会社を知らないから
自治体の定める最低賃金と同じ時給だから
自分の働き方を考えると妥当だと思う
残業しているのにあまり残業代がつかない。
もう少しアップしてもらいたい
給与があがれば税金や保険が引かれるからどちらともいえない

アンケートの回答から、給与に対する満足度は個人の状況や考え方によって大きく異なることがわかります。一部の人は現在の給与に満足しているが、もっと稼ぎたいと考える人もいる一方で、給与が上がると税金や保険負担が増えるため、どちらとも言えないという意見もあります。また、業務内容や勤務時間、会社の規模や業界状況を考慮して給与が妥当だと感じる人もいれば、業務に対する給与が見合っていないと感じる人もいます。給与に対する満足度は、自分の働き方や価値観、仕事環境など様々な要素に影響されることが伺えます。

給与について「額面」「手取り」

給与について語るとき、我々は「額面」と「手取り」という二つの主要な概念を区別する必要があります。「額面」とは、従業員に支払われる給与の総額であり、基本給、通勤手当、時間外労働手当(残業手当)、役職手当、家族手当などの各種手当を合計した金額を指します。一方、「手取り」とは、実際に従業員が受け取る金額を指し、額面給与から各種の控除、すなわち所得税、住民税、厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料、労働組合費などを引いた残りの額を意味します。

一般的に、手取りは額面のおよそ75~85%とされています。ただし、控除される金額は従業員の個々の状況、例えば扶養家族の有無などによって異なります。したがって、額面から正確な手取りを簡単に計算することはできません。最終的に、額面給与は給与明細の「総支給金額」欄に、手取りは「差引支給額」欄に記載されています。これらの概念を理解することで、給与の構造と自分が実際に受け取る金額を明確に把握することが可能になります。

日本の実質賃金は、バブル経済崩壊後の1990年代初頭から約30年間、長期的に見てほぼ横ばいか緩やかな低下傾向が続いており、先進国の中では珍しく、経済成長の恩恵が労働者の給与に十分に反映されていない状況が続いています。

この状況の背景には、デフレ経済、非正規雇用の増加、生産性の伸び悩み、グローバル競争の激化など、複合的な要因があります。近年では緩やかな上昇も見られますが、30年前の水準を大きく上回るには至っていません。

転職を考えることありますか?

  • ある
  • ない
  • ある・・・76.3%
  • ない・・・23.7%

この質問には76%の人が「ある」と回答しました。

転職を考えること「ある」と回答した人に限定した「給与満足度」に関するアンケート結果がこちらのグラフです。

転職考えること「ある」の人の給与満足度

全体の給与満足度のグラフ

左のグラフが「全体の給与満足度」になるのですが、転職を考えることあるのグラフと比較すると、大きな差がありません。

多少は満足度が低い傾向にあるのですが、不満・とても不満に思ってる割合は僅かに大きくなっているだけです。

「転職を考えることある」と回答した人は給与だけに不満があるわけではなく、仕事の内容だったり、将来性などを考えて転職を考えているのかもしれません。

この調査結果から、「転職を考えることがある」と答えた人の動機が単純な給与不満だけでないことが示唆されます。転職を考える人が仕事に何を期待し、どのような要素が満足度や職場選びに影響を与えるのか探る必要がありそうです。

次に、副業について意見を聞いてみました。

今や収入を増やすために何らかの副業をする人が増えています。企業も副業OKとしているところがあったり、残業が減っていることで自由な時間が増えてることも影響しているようです。

今の会社は副業OKですか?

  • OK・・・38.2%
  • NG・・・25.0%
  • 明確なルールがない・・・37.0%

本格的に「副業」を考えることありますか?(月に3万円以上〜の副業)

  • すでに副業している
  • 副業を検討している
  • 副業の予定ない

今回のアンケートは、インターネット上のクラウドサービスを利用していることも影響しているかもしれませんが、「副業をしている」または「副業を検討している」という前向きな意見を持つ人が驚くほど多く、全体の85%が副業に肯定的な回答をしました。会社員として働く女性たちは、副業に関心を持つ人が多いことがわかります。

最後に、今の会社で定年まで働く予定なのか、聞いてみました。

今の会社で定年まで働く予定ですか?

その予定(今の会社で定年まで働く)と回答した人は全体の19%しかいませんでした。
「わからない=43%」で、「転職したい=37%」となっています。

今の会社で学べることはたくさんあるけど、いつかは起業したいな。だから今は経験を積むつもりでいます。タイミングと準備が整ったら独立でればベストかな!?

正社員にこだわってないです。フリーランスや副業など、働き方の選択肢が増えてるし。自分のライフスタイルに合わせて柔軟に変えていきたいよね。

定年まで同じ会社というのは、なんだか息苦しい感じがします。違う業界や海外で働く経験も積みたい気持ちのあって、人生一度きりだからと思うと色々考えさせられます。

今の会社も悪くないけど、もっと自分のスキルを活かせる環境があるかもしれない。転職サイトを見るのが趣味みたいになっていますね。

正直、将来のキャリアがどうなるかわからない。テクノロジーの進歩が速すぎて、10年後に自分の仕事がどうなっているか想像もつかないです。

給与に満足できない理由について

純粋に給与水準が低い

市場平均や同業他社と比較して、給与が低い場合、従業員は満足度が低くなります。特に、業界内での競合が激しい場合や高いスキルを持つ従業員が多い場合、給与水準が十分でないと満足度が低下します。

昇給やボーナスが不十分

定期的な昇給やボーナスがない、またはその額が期待に応えられない場合、給与の満足度が低くなります。従業員は努力や成果が報われる給与体系を望んでおり、それが満たされないと不満が生じます。

給与格差がある

同じ職場内で給与格差が大きい場合、満足度が低くなることがあります。特に、同じ役割や責任を担っているのに、給与に差があると、不満が募ることがあります。

労働条件とのバランス

労働時間が長く、休日が少ないなど、労働条件が厳しい場合、給与がそれに見合っていないと感じることがあります。労働条件と給与のバランスが悪いと、満足度が低くなります。

給与以外の待遇

福利厚生やキャリアアップの機会、職場の環境など、給与以外の要素も満足度に影響します。給与が他社と比較して標準でも、これらの要素が充実していない場合、満足度が低くなることがあります